イリアス〈上〉
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定価 : ¥ 840
販売元 : 岩波書店
発売日 : 1992-09 |
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商品名 |
納期 |
| ¥ 840 |
イリアス〈上〉 |
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苦悩と運命に導かれて |
旧約聖書と並ぶ、壮大なドラマ。戦語りに止まらず、神・半神・人間と、社会階級と運命・情・犠牲が入り乱れて、現代の社会観とは無縁なストーリー展開。不道徳な欲望は身を滅ぼし、不運に見舞われも生まれ(神の血縁者は滅びない)がよければ報われる。細切れにしたディリールはきっと誰でも知った話だろう。ギリシャ神話もこれを読んだ後ならもっとわかりやすいはず。英国に暮らしていたころ小学高学年になると、みな課題で読み暗記させられた。西洋の文化・思想の起源が集約されているのでこれを知らずして文学の学習は進んでいかない。美術・絵画の愛好者や学習者にも是非これをお勧めする。
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善人が報われない「軍記」もの |
英雄譚という理由で登場人物の誰か一人にでも同情してしまうと痛い目にあいます。本作には善人がほとんど登場せず、むしろわずかな善人でさえ敗れ去っていく物語なのです。
そもそも戦争の原因が神々の嫉妬心から起こった「醜い」争いであり、鍵を握るヘレンはアフロディテの誘惑を受けているとは言え尻軽女である事から容易に結末の後味の悪さは予想できるでしょう。
戦争の描写は丁寧なのかと思えば、最初の9年は神のお告げだからといって素通りするあたりは現代の感覚からするとやはり異質で、アキレスとヘクトルの戦いにもヘクトルに同情してしまうのでやはり後味は悪くなります(ヘクトルの今わの際に残酷なセリフを残すアキレスの極悪非道ぶりを見よ)。
おまけにラストの有名な木馬作戦も冷静に考えれば卑怯極まりなく、終わった後に得られるカタルシスはほとんどありません(殺されたラオコーンが可哀想だ)。
「オデュッセイア」とアイネイアスのローマ建国物語を読んでいなかったらギリシア神話がもっと嫌いになっていたかもしれません。
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神々の戦い |
トロイヤ戦争を有名な扱った叙事詩です。アキレス,アガメムノンなどのギリシャ勢対ヘクトル,パリスなどのアジア勢との戦いを描いています。いわば,異なる文明との戦いを語っている物語でもあります。また,人間界の戦いに,ゼウス,アテナ,アフロディーテなどの神々が人間の戦いに参戦して神々の戦い
という側面を持っています。個性豊かなアガメムノン,アキレス,ヘクトル,ディオメネスなどの言動や活躍,神々の言い争いや戦いが物語をよりいっそう面白いものにしています。戦闘や心情のなどの描写も独特で読んでいると臨場感満点です。
訳もわかりやすいし,それぞれの章に概略があり,読みやすいのですが,旧版の様に詩の雰囲気を残してくれていた方がもっと味わい深かったかもしれないです。
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西洋最古にして最大、そして最高の叙事詩 |
「イリアス」の魅力の一つは、小細工無用の骨太のストーリー構成と、思わずはっと目を見張らせる鮮やかな人間描写にある。たった一行の台詞や描写で、その場の雰囲気や登場人物の性格が、まるで今その場にいて、彼らを良く知っているかのように、生き生きと察せられるのだ。
若さと力に満ちあふれる戦士達が、その輝きの絶頂のさなかで、抗いようのない運命に背中を押され、次々と死んでいく。そこには善人も悪人もない。
かつてはアレクサンドロス大王の戦意を高揚させたこの本も、今の時代になって読めば、むしろ戦争の痛ましさを訴える文学にも見えてくる。
「平和を願いながらも戦わずにはいられない…」人類の抱えたこの大きな問題は、「イリアス」の時代から変わらぬ普遍のテーマとして、今を生!きる我々の胸に迫ってくる。
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『イーリアス』の新しい邦訳書です。 |
ホメーロスに帰される名叙事詩『イーリアス』の新たな日本語訳が文庫本で読めます。
巻末には解説が施され、各歌ごとに梗概が冒頭に記されていて、優れた訳業ですが、呉茂一氏の翻訳に親しんだ者にとっては、固有名詞の母音の長短が明記されていない点などが少し淋しく感じられます。
とはいえ、イオーニアー方言のギリシア語を直に読むことの出来ない大半の日本人には、本書が現在容易に入手出来る最も親切な作品である事実に相違はありません。