金太郎にほれた女はカントリーウイスキー会長の孫だった。女は金太郎の出張に勝手に同行し、それを写真に撮られ社内に怪文書がばら撒かれる。これは、大手建設業の御曹司であり金太郎の所属するヤマト建設社長の娘の夫の企みだ。金太郎を陥れようとするが秘密をヤクザに握られ、金太郎はヤクザと杯を交わすか殺されるかの選択を迫られ、ヤクザと杯を交わす。金太郎の男としての器はサラリーマンの枠に収まることがないということがはっきりする巻。大物フィクサーや大金持ち、さまざまな会社の社長、銀座の高級クラブのままなどさまざまな人々に気に入られた金太郎はそれでもサラリーマンを続けることを選ぶ。
後半、暴力的でまったくルールに従わない馬がレースで活躍する場面が出てくる。有馬記念で優勝するという場面が展開するが、これは金太郎たちが見た夢だった。血統のない駄馬でも勝てるということが、高校を中退して誰でもできる仕事をすぐにやめてしまう息子を持ったオジサンの話とともに展開する。金太郎はそのおじさんの息子は大丈夫だという。枠に収まらないからといって、能力が低いとは言えない。
「サラリーマン金太郎」は1994年から週刊ヤングジャンプに連載されたサラリーマン立志伝。暴走族「八州連合」の総長と言う経歴を持つ子持ちの元漁師がヤマト建設会長の命を救ったことにより、ヤマト建設に中途仮採用されサラリーマン人生を歩み、サラリーマンとして、人間として成長していく。本宮ひろ志氏の漫画なので見所はなんといっても主人公、金太郎の熱い男気と、その人格にまわりの人間が影響を受けていく様。常識にしばられない金太郎をはじめ、伊郷龍蔵や三田善吉、など一癖も二癖もある魅力的な人物が数多く登場し、決して成功話だけで流さずマンネリ化しないストーリーが素晴らしい。その本巻、金太郎を陥れるための大場の画策が千秋の出生の秘密をも暴いた。その秘密をネタに、千秋の祖父・川!井の会社に喰らいつこうとする総会屋・町村。拉致された千秋を、金太郎は救い出せるのか・・・