総会屋の下っ端の凶弾に倒れた元ヤマト建設会長・大和の言葉が非常に心に残る。会社を首になり、建設現場で働く金太郎を見て、元会長は「元気だ。金太郎は元気だ。」という、メモ(手紙?)を残した。金太郎は元気だ。どんな状況にいようと、金太郎は元気だ!この元気だという言葉に泣きそうになった。日本の社会に停滞感や閉塞感をもたらしているのは、一人ひとりが元気じゃないからだ。元気!元気ということがどれほど周りに希望の種を蒔くかわからない。
「サラリーマン金太郎」は1994年から週刊ヤングジャンプに連載されたサラリーマン立志伝。暴走族「八州連合」の総長と言う経歴を持つ子持ちの元漁師がヤマト建設会長の命を救ったことにより、ヤマト建設に中途仮採用されサラリーマン人生を歩み、サラリーマンとして、人間として成長していく。本宮ひろ志氏の漫画なので見所はなんといっても主人公、金太郎の熱い男気と、その人格にまわりの人間が影響を受けていく様。常識にしばられない金太郎をはじめ、伊郷龍蔵や三田善吉、など一癖も二癖もある魅力的な人物が数多く登場し、決して成功話だけで流さずマンネリ化しないストーリーが素晴らしい。その本巻、大和守之助の衝撃的な死によって、サラリーマンとして働く意欲を失ってしまった金太郎。サラリーマ!ンを放棄し、亡き先妻・明美の故郷で漁師としてスタートを切った金太郎は、自然に囲まれた環境で、つましくも満ち足りた生活を一家で送っていた。そんな一家のもとへ、ヤマト中央の元同僚石川が、在りし日の守之助の手紙を持って訪ねてきて…