企業戦士の人生をリアルに描き出す漫画「島耕作」シリーズ。その人気の秘密は等身大で身近に感じられる登場人物と、何事にも情熱を傾ける彼らの生き方が痛快だからであろう。本書は漫画の背景に横たわるテーマを読み解く解説書とでもいうべきもの。登場する「男」たちを分析・解説し、真の男とは何かにせまるシリーズの第3弾である。 今回は特に、他人を引きつける資質にスポットを当てており、人望の厚い男を目指すための指針が80か条に集約されている。一言でまとめてしまえばそれは「潔く生きる」ことだと著者は言う。誰も彼もが自分中心に物事を考え、利を獲得し、巧みに立ち回ることに躍起になっている。本書はそのような自分本位主義が保身につながり、度を過ぎた保身が往生際の悪さへとつながることを警告する。潔さのなかに人は信頼や善意や好意を見つけるだろうし、往生際の悪さに人は不実や悪意や嫌悪を感じるだろう。 「潔く生きるか?」と強く問いかけるメッセージに我々は思わず日常の歩みを止めて自分の半生を振り返る。「男」の生き様とはかくあるべき、と明確に提示している本書は漫画に蓄積されたイメージもあり、なおさら鮮烈に読者の心の奥に浸透するだろう。 ただ本書の口調は熱く断定的。その温度の高さを受け入れられる人には問題ないだろうが、難色を示す人もいるだろう。大きく構え、常に向上心を携えて歩いていきたい人には感奮興起する格好の材料として捉えることのできる1冊である。(佐藤敏正)
やっと手に入った。某有名ビジネス専門書店まで足を運んだが在庫切れであった。見れば98年の3月に発行とある。随分、この書の存在を知らなかったらしい。なんと勿体ないことか。
なにしろ会社の中で、生きていくというのは、疲れることが多い。悩み鬱々とするとき、この書は、肩の力を抜いて生きることを教えてくれた。お堅いビジネス書にはない面白いつくりで、かつ内容は非常に実践的なものとなっている。
筆者がいうように、具体的なテクニックなどを伝授するものではない。・・・・魂そのものの高潔さ、潔さが人から心底、惚れられるのだ、と、人間の根源的なあり方を教えてくれる。 今は「部長」島 耕作の扉絵も楽しい。 なかでも「人生の土壇場をどうしのぐか」の章が、大変読み応えがあった。
原作の「課長 島耕作」を読んだ後、この書を読むと、さらに面白い。あの時の島の心理、中沢取締役の心境など、筆者が描きたかった奥深さが伝わってきて深みが増す。 「仕事とは生きる手ごたえを与えてくれるもの」という筆者のメーセージが心に残った。